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成長板早期閉鎖(橈尺骨の成長不一致)について

執筆者の写真: OKEANOS ,Inc.OKEANOS ,Inc.

更新日:2022年9月15日

こんにちは、武装動物病院-長津田-院長の岩屋です。

今回はワンちゃんの前足に起こる事がある病気についての解説です。


解説:

まずこの病気をざっくりいうと、腕を構成する2本の骨の一方の成長が止まってしまいその結果、大変(ざっくり)という病気です。


私たち人間の腕も2本の骨、橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)で構成されています。


この病態では、尺骨の成長が思うようにいかかず、骨が伸びていきません。


一緒に伸びていく筈だったもう一方の橈骨はびっくりするわけですね💦


実際の症例:


先ずはこちらの写真をご覧下さい。

MIX犬 9ヶ月齢


正面から見た際に患肢(左前足)のような特徴的な外貌をとることが多いです。


骨の方はどうでしょうか?

青丸部分が早期に閉鎖したと思われる尺骨の成長板です🔵

尺骨の成長の75~85%は青丸部の成長板に依存していると言われています。


尺骨の成長が止まっても、橈骨は伸び続けます。抵抗がある状態で伸び続けてしまった橈骨は赤線のようにかなり湾曲しています。


生じる問題は多数あります。

黄色丸で示された箇所は伸び続けている側の骨(橈骨の近位端)です。


今にも完全に脱臼しそうな状況なのが分かると思います。



橈骨と尺骨の成長速度の違いにより起こる数々の問題:


・肘の疼痛・関節炎

・前肢の変形や跛行

・内側鈎状突起分離(FCP)



治療:


大きく2つに分けて考えます。


骨の成長能力がかなり残っている場合(生後5~6ヶ月齢未満)➡️橈骨の成長を継続させる治療(尺骨骨切り、伸延術


骨の成長が停止している場合➡️骨本来の形状へ戻すこと、疼痛緩和や進行抑制を目的とした治療(橈骨の変形矯正、(亜)脱臼の整復、尺骨骨切り)



実際に尺骨斜め骨切り術を行った症例⬇︎

症例によっては2回に分けて手術を行う場合もありますし、手術自体は適応とならないケースもあります。


成長期の早い段階での手術により骨の変形や歩行障害を防げるケースがありますので、心当たりのある方はぜひ診察にて、ご相談下さい。セカンドオピニオンも受け付けております。



※当院は予約制です。診察をご希望の方は事前にご連絡いただけますようお願い致します。


TEL 050-1807-1120

 
 
 

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