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  • 執筆者の写真OKEANOS ,Inc.

健康診断で見つけたい無症状かつ怖い病気5選 -後編-

さて、前編に引き続き、今回は無症状かつ怖い病気5選 -後編- をお届けしたいと思います‼️





最後までお付き合いいただけたら嬉しいです😊



続きをお話する前に、健康診断の重要性をお話したいと思います。



某有名ドッグフード会社では、健康診断について調査、公開しております。


そもそも、健康診断の受診率は全体の約4割であり、犬>猫のようです。


きっかけとしては

1)動物病院で勧められたから

2)ペットが歳をとったから

3)病気の兆候が見受けられたから


とのことでした。


また、健康診断を受けないオーナー様へのアンケートでは、受診へのハードルや阻害要因として、今はペットが健康だから必要ない、経済的負担の2つが上位になるというとこでした。



犬と猫の成長スピードを平均して、1年で4歳、歳をとると言われています。

単純に、私たちの感覚で言うと、4年に1度の健診になってしまうため、歳をとるスピードで考えると、1年に2回の受診が望ましいと言えます。




💭人間と同様、知らぬ間に進行する病気が存在すること


💭手遅れとなる前に、早期発見することで、"その子のためにしてあげられること"が増え、身体の変化とどのように向き合っていくかを、飼い主様と共に悩みながら考えていきたい



皆様やペットちゃんにとって、動物病院が身近な存在でありたい✨


そんな思いで、私たちは日々診療に前進しています‼️




前置きなのに、つい熱くなってしまいました🤣

それでは気になる後編、ご紹介したいと思います。





【3.胆泥・胆嚢粘液嚢腫





関連する症状: なし

胆嚢が破裂したり、胆管が閉塞した場合に、嘔吐、食欲不振、活動性低下、突然ぐったり、黄疸


評価方法: エコー検査


胆嚢という臓器の中には、食餌を分解するための胆汁という液体が入っています。

胆泥症とは何らかの原因でこの液体が濃縮され、泥のようになってしまう病態です。

胆嚢からの管(胆管)が閉塞していない場合に限り、利胆剤を服用することで、溜まった胆汁を出しやすくする治療を内科治療で行っていきます。



胆嚢粘液嚢腫とは、胆汁がゼリー状になってしまうことで細い胆管を閉塞させ、胆嚢炎や組織の壊死を引き起こします。

最悪の場合、固まった内容物が胆嚢の薄い膜を破り、胆嚢破裂が起こると、腹膜炎という強い炎症となり、命の危険に陥る場合があります。

超音波検査にてキウイ状の特徴的な所見が認められる事があります。




【4.僧帽弁閉鎖不全症】





関連する症状:抱き上げた際に心臓の動きを手で触知できる

重度の場合は、呼吸促迫、咳、ピンク色の液体を吐く(かっ血)


評価方法:エコー


心臓には、弁という血液を一方通行に押し流しているドアがあります。

そのうち、僧帽弁という左心の弁に異常がある場合、血液の逆流が生じ、最悪の場合、心不全となってしまう怖い病気です。

弁の異常については、組織の粘液水腫や、急性腱索断裂(心臓の靭帯が突然切れること)によるものが多いとされています。


この病気については、話せばとても長くなりますが、、、、重症化した場合は心不全に陥るだけでなく、肺水腫を伴う呼吸不全にもなり得るので、本当に怖い病気です…




私は夜間救急に勤めていたこともあり、呼吸不全に陥ってしまった患者様を、数多く診てきましたが、注意すべきポイントを事前に知っている飼い主様は、早期にお連れいただけることが多く、重症化する前に適切な治療を行うことが出来ている印象です。



中には、自分のペットさんが心臓病に罹患していることを知らず、突然の呼吸困難に対して混乱し、ご自宅でしばらく様子を見てしまうことで、来院時にはすでに重症化しているケースも少なくありません。


こちらも事前に知っておきたい大切な病気のひとつです。





【5.猫の甲状腺機能亢進症】





関連する症状:食欲があるが痩せてくる

食欲はあるので、飼い主様は気付きづらい


評価方法:血液検査


甲状腺から出るホルモン分泌が増えることで、身体の代謝が活性化してしまう病態です。

人のバセドウ病と一致します。

食欲はあり、落ち着きがなくなる、よく鳴くようになるなるど、見かけは元気でなんとなくの症状が多いため、とても気付きづらい病気です。

病気の進行に伴い、体力や食欲の低下、嘔吐や下痢が認められることがあります。


原因については甲状腺の腫瘍や炎症と言われていますが、確定診断には病理検査が必要になります。


内服薬による治療で改善することが多いですが、この病気に関しては併発疾患(腎臓病や心疾患)が多いため、その他の病気についても注意が必要です。






以上、前編と後編に分けてお届けしました‼️




無症状であることがポイントですが


どれも珍しい病気なわけではなく、むしろ罹患率の高い病気ばかりを取り上げました😱



健康であることほど、喜ばしいことはないですね😊


健康診断のキャンペーンは12月28日(水)まで行っておりますので、ぜひ愛するご家族のためにご活用いただければ、私たちも嬉しく思います。



それでは今年1年も残り数ヶ月ですが、皆様が大切な家族とともに、自分らしく幸せな時間を過ごすことができますように✨


獣医師 日野萌子

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